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體液循環の基礎的研究
著者: 西丸和義1
所属機関: 1廣島縣立醫科大學 生理學教室
ページ範囲:P.9 - P.13
文献購入ページに移動 體液循環に關する概念はHippocrates(B. C. 460-370)が漠然と血液(心臓),粘液(脳),黄胆汁(肝),及び黒胆汁(脾)の四液であると考えた。次いでErasistratus(B. C. 300-250)は屍體解剖により,Galenus(A. D. 130-210)は屍體解剖により,體液は血液とPneumaであつて,血管系,神經系を流れるとした。然しHarvey(1578-1657)は生體實驗により,體液は血液であつて,此れは心臓から心臓へと,心臓の運動を唯一無二の原動力として,循環すると考えた。19世紀後半になつてClaude Bernad(1813-1878)は物理化學的な方法で,此れ迄のdataをまとめて,體液とは血液とリンパ液であつて,其物理化學的性状を恒常に保ちつゝ心臓から心臓へと循環すると云う概念を得た。それから現在に至る迄の多くの先進はHarveyの殘した,心臓は如何にして收縮するか,血管,淋巴管は只の導管であるか,等に對する解答としてのdataを提供した。自分等も此の問題に興味を覺えて,1921年以來追及したものが次の樣な抄録である。
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