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文献詳細

雑誌文献

生体の科学4巻1号

1952年08月発行

文献概要

報告

神經を引伸した時の傳導速度について

著者: 眞島英信1

所属機関: 1順天堂醫大生理學教室

ページ範囲:P.34 - P.37

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 神經を引伸した時その傳導速度がどのように變化するかについては,古くCarlson and Jenkins 1)及び(Carlson 2)の實驗がある。
 それによればAriolimax又はBispiraの神經を引伸して測定した結果,生理的限界内(20〜30%)で傳導速度は不變であつた。之に對しBethe 3)はHirudoの神經を用いて同樣の測定を行つた結果,生理的限界内では神經上の點間の傳導時間が一定であつて,傳導速度は從つて増大することを認め,Carlson等に反對すると共に,神經の傳導物質はCarlson等の結果が示唆する如き半液状流動性の物質ではなく,引伸しても太さ及び長さを變えないような物質でなければならないという結論に達し,彼が始めて染色し得た神經原纖維こそこの物質に他ならないと述べている。生理的限界内で原纖維はうねりがなくなつて眞直になるだけだというのである。然るにCarlson4)は之に對し再び同一の實驗を繰返してBetheの實驗の誤謬を指摘し,自己の以前の實験の正當なる事を確かめている。要するに從來神經を引伸して個導速度を測る目的は主として傳導物質の性質を研究する事にあつたのである。著者は蟇及び食用蛙の末梢神經の傳導速度を測定している際に,神經束に肉眼で明らかに見得る横縞が存在し之が引伸すことによつて消失することを認めた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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