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文献詳細

雑誌文献

生体の科学4巻3号

1952年12月発行

文献概要

報告

貝心臓を用いるAcetylcholine定量法

著者: 田邊恒義1 佐藤光世1

所属機関: 1札幌醫科大學藥理學教室

ページ範囲:P.135 - P.138

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 Acetylcholine(ACh)と貝の心臓
 1935〜1938年にBacq1)及びJullien et al2)は貝類の心臓にACh及びcholinesteraseが存在する事を確かめた。特にJullien3)は1936年に数種軟體動物の心臓がAChで抑制され,而もこの作用はatropineによつて拮抗されない事を知つた。
 他方,Woods Holeの臨海実験所に於て,無脊椎動物心臓の比較藥理学の実習を行つている間に,学生がVenus mercenaria(大西洋岸近海でとれるquahogと言われる食用蛤)の心臓がAChに極めて敏感に反應する事を發見した。そして1937年にC. L. Prosser and H. B. Prosser4)がこの事に就いて簡單な報告を行い,續いて1940年C. L. Prosser5)が其の後の成果をも一括して記載した。この研究はHarvard大学生物学研究室のWait6)及びWelsh7)によつて更に推し進められ,AChの生物学的定量法にまで發展して行つた。最近,Welsh等8)9)及びTower and McEachern10)の報告に刺戟されてAChの定量にVenus mercenariaの心臓を用いる学者が出て来た。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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