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文献詳細

雑誌文献

生体の科学4巻3号

1952年12月発行

文献概要

報告

光電的容積脈波抽寫裝置

著者: 長谷川渙1

所属機関: 1新潟大學醫學部生理學教室

ページ範囲:P.138 - P.140

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 生體に於いて,身體各部の血流状態を知らんとするには,從来から容量描寫装置(Plethysmograph)を使用するのが一般に行われている。四肢,指趾,動物の孤立臓器等に於いては專らこの方法がとられているが,描寫器内の水又は空氣の漏洩や,體温による膨張變化等の支障がしばしばあり,且つ任意の身體部面の血流状態を,殊に人體に於いて知らんとするにはかかる方法では不可能である。
 この不都合を避けんとして1938年,Hertzman1)は光電的容積脈波描寫装置を製作した。またこれと略同時に古林等2)も同様な名稱の裝置を單獨に製作している。Hertzmanが主として長時間の連績的描記による人體皮面の血営系の變動を追求したのに反し,古林及びその追試者は,光電的な脈波曲線の波形の分析から,主として臨床的,診断的方面にその應用を進めて行き,上記二者の研究方向は全く異つてしまつている。なお,Hertzmanが主として反射光による局處的な光電脈波を問題にしたのに対し、古林は手掌の透過光による脈波を対象としており,この點で兩者の得た脈波曲線には本質的な同一性を論ずることはできないが,光電的な脈波を実際に描記せんとするのに極めて難易の差を生ずることになる。古林等が比較的取扱いの容易な透過光線によつて容積脈波を描記しながら,殆ど曲線の波形分析にのみ終始したのは,光電流増幅器の安定性と恒常性を保つのに困難であつたためであろう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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