icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学4巻5号

1953年04月発行

文献概要

論述

ACTH定量に關する2,3の問題

著者: 中尾健1

所属機関: 1東京慈惠會醫科大學藥理學教室

ページ範囲:P.204 - P.211

文献購入ページに移動
 〔A〕ACTH定量(生物檢定)の檢定目標並に定量法に就て
 至適環境下の生體も外來生の危険刺戟に曝されると,その環境の變化に順應するために一定の防衛反應が起きて來る。其の結果生體の諸種の變化が起きるが,副腎に於ては其變化が特に著明で其の重量は増加し,組織學的にも特にzona fasciculataに著明な機能亢進的の變化が惹起して來る。尚此の組織解剖學的變化と共に副腎中の化學的物質例えばascorbin酸やcholesterolも一過性の減少を來すものである。(Long1)Sayers等2))然し乍ら腦下垂體摘出と云う様な條件下では危険刺戟を與えても,これと化學的物質は減少を來さない。危険刺戟でなくACTH其物を投與した場合には,腦下垂體摘出後20-30時間内で未だ副腎皮質機能が健在な時に限り,ACTHに反應して副腎はascorbin酸及びcholesterolの減少を來して來る(Sayers3))。
 特にascorbin酸の減少はACTHによる最も鋭敏な特異的な反應である事が確認され(Sayers 4)),此を應用したのが有名なSayersのACTHの"Ascorbic Acid Depletion Method"で現在米國のACTHの生物検定は專ら此の方法に依つている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら