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特集 大脳/神経科学からのアプローチ
文献概要
脊椎動物では脳幹から大脳と小脳が丁度松茸の傘のように大きく張り出している。どうして大小二つあるのだろうか。筆者はこれまでもっぱら小脳の神経機構を調べてきたが,両者の関係が何時も気掛かりであった。また,小脳について分かったことを基にして大脳のことを現解しようとしても,これが対照的に違っていてアナロジーがまったくといってよいほど利かないのは驚きであった。しかしその一方,大脳と小脳が進化の過程において密接に平行しながら発達してきた事実にもひどく心ひかれるものがあった。そのようなわけで,小脳との対比と両者の関連を手掛かりにして,大脳の機能を考察してみることを試みた。つまり,小脳から大脳を眺めたわけである。大脳の神経機構を理解する一助になればと思い以下に述べる。
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