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文献詳細

雑誌文献

生体の科学40巻2号

1989年04月発行

文献概要

特集 大脳/神経科学からのアプローチ

大脳皮質の形成機構

著者: 御子柴克彦1

所属機関: 1大阪大学蛋白質研究所機能制御部門

ページ範囲:P.101 - P.107

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 I.大脳の発生
 中枢神経系の原基は,背側正中部の外胚葉が肥厚して,マウスでは胎生7.5日に,ヒトでは胎生18日頃に神経板が形成される。神経板の両縁は隆起して神経隆起となり,左右の隆起に挾まれた中央部は神経溝というくぼみを形成する。神経隆起が肥厚して神経褶がつくられ,左右が癒合して神経管となる(マウスでは8.5日,ヒトでは21日)。神経管は形成後,体表外胚葉から離れて,胎仔の背側正中部で埋没する。
 神経管の太さはその後,部位により変化して三つの膨隆部を形成する。すなわち前脳胞,prosencephalon,中脳胞mesencephalon,菱脳胞rhombencephalonと呼ばれる一次脳胞である(図1)。神経管の内腔は脳では脳室として,脊髄では中心管として残る。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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