文献詳細
特集 大脳/神経科学からのアプローチ
文献概要
脳の神経科学は近年急速な発展を遂げたが,これらは主として発生・分化,神経解剖学,生化学,運動制御,認知,記憶,学習などに関する脳内過程であって,"精神"現象についてはいずれの方向からのアプローチも画期的な進展をみていない。
その理由は精神現象の定義が明確でなく,動物実験系に組み込むことが困難なことにある。われわれの研究室では日本ザルで大脳基底核の研究を行っており,随意運動の予期,開始,制御に関して興味ある知見を得ている。サルは実験室や飼育室で,喜怒哀楽を示し,学習し,こちらの顔色を伺い……などの高度な心の動きを示すが,それらはすべて擬人化した推定である。
その理由は精神現象の定義が明確でなく,動物実験系に組み込むことが困難なことにある。われわれの研究室では日本ザルで大脳基底核の研究を行っており,随意運動の予期,開始,制御に関して興味ある知見を得ている。サルは実験室や飼育室で,喜怒哀楽を示し,学習し,こちらの顔色を伺い……などの高度な心の動きを示すが,それらはすべて擬人化した推定である。
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