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文献詳細

雑誌文献

生体の科学40巻2号

1989年04月発行

文献概要

連載講座 チャネル研究の新展開

カルシウム依存性非特異的カチオンチャネル

著者: 丸山芳夫1

所属機関: 1自治医科大学生理学教室

ページ範囲:P.141 - P.144

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 パッチクランプ単一チャネル電流計測法による技術革新以来1),実に多くのイオンチャネルが生体膜上において同定および定義されてきた。同法は単一チャネル電流測定という発想の枠内において当初研究者に受け入れられた感があり,細胞種を問わず適用され,80年代より広範なイオンチャネル鳥瞰図が造られるに至った2)。カルシウム依存性非特異的カチオンチャネル(以下,非特異的チャネルと称する)についても同様に,漸次心筋,神経細胞,外分泌腺房細胞とその存在が確認された3-5)。分布の細胞種リストが増えるにつれ6),同チャネルが興奮性および非興奮性細胞を問わずほとんどあらゆる種類の細胞膜上に存在する可能性が生ずるとともに,おのおのの共通点を拾い上げることで名称にあるような了解事項が成り立ってきた。すなわち,ⅰ)チャネルの活性は細胞内Ca2+濃度(〔Ca2+i)に一意的に依存し,ⅱ)一価カチオンを選択的に通過させ,かつⅲ)NaやKなど一価カチオン間の選択性に大きな偏りがない,ということである。これらの了解事項は定性的な意味合いが濃く,量的な特異性は考慮に入れてはいない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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