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実験講座
走査電顕による膠原細線維網観察のためのアルカリ処理試料作製法
著者: 大谷修1
所属機関: 1岡山大学医学部第2解剖学教室
ページ範囲:P.145 - P.149
文献購入ページに移動 近年,組織培養の研究により,膠原線維が組織の増殖・形態形成に重要な役割を演じていることが明らかとなってきた1)。一方,各種の組織・器官で線維形成と病理発生とが深く関わりあっていると言われている。たとえば,肝臓においては,肝硬変症に伴って線維化が起こり,そのために洞様毛細血管が真性毛細血管化し,肝臓の循環障害が起きると言われている2)。
結合組織線維の形態学的研究は,従来,主に鍍銀標本の光学顕微鏡観察によって行われ,最近は,走査電顕による反射電子像の観察も試みられている3)。また,免疫組織化学的手法も盛んに用いられている。しかし,これらの方法では,分解能が悪く観察できる範囲も限られているため,組織や器官における膠原細線維網が三次元的に,どのように分布し,どの程度存在するかは十分に解明されなかった。従来の割断試料の走査電顕観察や,超薄切片の透過電顕観察によっても,ごく一部の結合組織線維を調べることができるにすぎず,その三次元的構築を広範かつ十分に調べることはできなかった。
結合組織線維の形態学的研究は,従来,主に鍍銀標本の光学顕微鏡観察によって行われ,最近は,走査電顕による反射電子像の観察も試みられている3)。また,免疫組織化学的手法も盛んに用いられている。しかし,これらの方法では,分解能が悪く観察できる範囲も限られているため,組織や器官における膠原細線維網が三次元的に,どのように分布し,どの程度存在するかは十分に解明されなかった。従来の割断試料の走査電顕観察や,超薄切片の透過電顕観察によっても,ごく一部の結合組織線維を調べることができるにすぎず,その三次元的構築を広範かつ十分に調べることはできなかった。
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