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文献概要
特集 細胞骨格異常
白血病細胞の細胞骨格
著者: 永田和宏1 高山英次1
所属機関: 1京都大学胸部疾患研究所細胞生物学部門
ページ範囲:P.177 - P.181
文献購入ページに移動 癌細胞は,増殖と分化の正常な制御を逸脱した細胞である。とどまるところを知らず増殖し,しかも正常な分化の経路には関わりなく,未分化な機能をもたない細胞として増殖しつづけることが多い。この異常な増殖能に加えて,転移や浸潤,さらに基質接着性の減少など,癌細胞を特徴づけるこれらの性質は,すべて細胞骨格蛋白質と深く関わっている。
癌細胞の奇妙な振舞いを理解するためには,癌細胞におけるこれら細胞骨格蛋白質の異常を知る必要があろう。正常細胞に較べて癌細胞ではどのような細胞骨格蛋白質の異常が,どのような表現形の異常となって現れているのか。できれば同じ起源の細胞を用いて調べられればこれに越したことはないが,さらに一つの細胞を用いて,癌の状態と正常の状態とを自由にコントロールできればより好ましいであろう。
癌細胞の奇妙な振舞いを理解するためには,癌細胞におけるこれら細胞骨格蛋白質の異常を知る必要があろう。正常細胞に較べて癌細胞ではどのような細胞骨格蛋白質の異常が,どのような表現形の異常となって現れているのか。できれば同じ起源の細胞を用いて調べられればこれに越したことはないが,さらに一つの細胞を用いて,癌の状態と正常の状態とを自由にコントロールできればより好ましいであろう。
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