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文献詳細

雑誌文献

生体の科学40巻3号

1989年06月発行

特集 細胞骨格異常

アルツハイマー病と細胞骨格異常

著者: 岡沢均1 貫名信行1

所属機関: 1東京大学医学部神経内科

ページ範囲:P.193 - P.196

文献概要

 Alzheimer病を特徴づける神経病理所見に老人斑(senile plaque)と神経原線維変化(neurofibrillarychange,あるいはneurofibrillary tangle,NFT)の二つがある。前者はcoreと呼ぶamyloidの細胞外沈着とその周囲に伸びた変性神経突起からなる。amyloidは695から770残基のアミノ酸からなる膜蛋白の分解産物であることがわかっている。したがってamyloidの詳細は特集の主題から外れるのでここでは触れない。後者は光学顕微鏡で神経細胞内に火炎状あるいは球状に見える嗜銀性,およびCongo-red染色下の重屈折性を持った封入体である。Kiddの電子顕微鏡的観察により80nmごとにくびれのある膨大部24nm,狭小部10nmの線維状の構造物であることが分かり,これが一対の線維が絡み合ったもののように見えたためpaired helical filament(PHF)と呼ばれることになった1)。Wisniewskiはより高倍率の電子顕微鏡の観察から直径3〜5nmの8本のprotofilamentが絡み合ったものを想定しているが2),Wischik,Crowtherらのgroupは線維の長軸方向と垂直な向きを持った三つの球状のdomainを持つsubunitがdouble-helicalに重なりあったものとしている3)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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