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文献詳細

雑誌文献

生体の科学40巻4号

1989年08月発行

文献概要

特集 研究室で役に立つ新しい試薬 基礎試薬(一般実験試薬) 分子量マーカー

蛋白質の分子量マーカー(総論)

著者: 野々村禎昭1 桜井隆1 黒川博生1

所属機関: 1東京大学医学部薬理学教室

ページ範囲:P.254 - P.254

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 蛋白質の分子量決定ということはひと昔前は非常に大事なことであった。沈降分析,光散乱,浸透圧,そしてゲル濾過,電気泳動と種々の方法が行われ,比較され議論された。生物物理化学の重要な部門であった。現在,cDNAクローニングでDNA配列が決まり,アミノ酸配列が400KDという巨大蛋白質でも決まってしまう時代となった。これは文字通りアミノ酸の一つ一つがわかった真の分子量で,従来のように形を仮定したみかけの分子量ではない。細胞生物学,分子生物学の進歩が次々と新しい蛋白質を見出してくるようになると,cDNAクローニングやプロテインシーケエンサーによってアミノ酸配列が決まる前におおよその分子量の検討がつけたくなる。nativeに近い状態で蛋白質を精製してくるゲル濾過,とくにそのHPLCで分子量の見当をつける分子量マーカーが必要となる。一方,その純度をチェックするSDS-PAGE上での分子量マーカーは重要である。それも高分子,低分子といろいろ問題があり,さらにBlotting使用,オートラジオグラフィー上など応用がいろいろ必要である。これらについて簡単にまとめ,終りに分子量マーカーではないが等電点電気泳動マーカーについてもふれておく。
 この領域は各社製品がキットとなって売られており,それぞれ詳しい解説書も各社から出ており,それに従えば何不足なく実験できる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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