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特集 研究室で役に立つ新しい試薬 基礎試薬(一般実験試薬) 分子量マーカー
蛋白質の分子量マーカー(各論)
著者: 野々村禎昭1 桜井隆1 黒川博生1
所属機関: 1東京大学医学部薬理学教室
ページ範囲:P.255 - P.259
文献購入ページに移動分子ふるいとしてのゲル濾過は分子の大きさを基準として分子をわけるという原理から蛋白質精製にとって基本的なものである。網目の中を分子が入りこんで移行していくために分取時間を要することが欠点だったが,HPLC-ゲル濾過の登場の結果,迅速に分離できるようになり,現在非常に広く使われている。後述するSDS-PAGEなどとは異なってnativeな状態で分離できるのでnativeな粒子の分子量を知ることが可能になる。すなわちSDS-PAGEでサブユニット分子量が既知の時,何量体であるのかを知る事ができるわけである。そこで分子量マーカーが必要になってくる。このためには純粋な分子量の異なった蛋白質を購入し,または精製して混ぜ用いれば良い。しかし分子形が鎖状であったり異状形であったり,相互作用を起こしたりすると標準とはならない。いくつかの社から球状蛋白質の混合キットが市販されている。たとえば生化学工業から255〜450KD間9個の蛋白質,ポリペプチド混合と451〜6.5KD間の8個の低分子蛋白質,ポリペプチド混合,Sigmaからは6.5KDから66KD間の4個の蛋白質キット,12.4KDから200KD間の5個の蛋白質キット,29KDから669KD間の6個の蛋白質キットの3種が市販されている。
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