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文献詳細

雑誌文献

生体の科学40巻4号

1989年08月発行

文献概要

特集 研究室で役に立つ新しい試薬 蛋白質,その他修飾試薬 光反応試薬

3H-ニトレンジピン

著者: 平田肇

所属機関: 1自治医科大学化学教室

ページ範囲:P.298 - P.299

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 ■特性および構造
 ニトレンジピンは,いわゆるカルシウム拮抗薬として知られる1,4-ジヒドロピリジン誘導体の一つである。カルシウム拮抗薬は,狭心症,不整脈あるいは高血圧などの治療に用いられ,臨床的な有用性が高いが,とくに心筋や平滑筋などにおけるL型Caチャネルの特異的阻害剤であることが明らかにされて以来,Caチャネルの研究に広く用いられている1)。これらカルシウム拮抗薬の中でニトレンジピンの3H標識化合物がもっとも早期に市販され,L型Caチャネル同定のリガンドとして用いられている。
 ニトレンジピンの構造式は図1に示すとおりで,化学名:ethyl methy1-1,4-dihydro-2,6-dimethyl-4-(m-nitrophenyl)-3,5-pyridine dicarboxylate。分子式:C18H20N2O5。分子量は360.37で,淡黄色の結晶性粉末で無臭である。融点は157〜160℃,水にはほとんど溶けないが,クロロホルム,エタノールなどによく溶ける。遮光して保存。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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