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文献詳細

雑誌文献

生体の科学40巻4号

1989年08月発行

文献概要

特集 研究室で役に立つ新しい試薬 蛋白質,その他修飾試薬 ビオチン—アビジン試薬

タンパク質の検出

著者: 須藤和夫1

所属機関: 1東京大学教養学部基礎科学科

ページ範囲:P.306 - P.306

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 ■抗体のビオチン化
 何らかの理由で抗体のビオチン化を自分でやらなければならない場合,市販のビオチン化キット(たとえばAmersham社)を用いればプロトコールがしっかりしているので簡単でよい。自分で薬品やカラムを集めてやらなければならない場合には次のようにする。アフィニティ精製したIgGあるいは硫安分画-DEAEカラムできれいにした総IgGフラクションを0.15M NaCl,50mMトリエタノールアミン-HCl(pH 8.5)に溶かす(1〜10mg/ml)。NHS-ビオチンあるいはその類似化合物(Pierce社でさまざまなものを市販している)を10mMになるようにジメチルフォルムアミド(DMFA)に溶かし,これと数mgのIgG溶液とを混和する。このときDMFAの最終濃度が1%を越えないようにする。NHS-ビオチンの最終濃度は,タンパク質とのモル比で10:1(NHS-ビナチン:IgG)前後に成るようにする。IgGの濃度が濃い場合は,NHS-ビオチンの濃度を低めにしてよい。室温で1時間から3時間反応させ,これを0.15M NaCl,20mMリン酸バッファー(pH 7.0)(PBS)で平衡化しておいたG25カラム(1cm×20cm)に通す。PBSで溶出し,す抜け画分を集める。このときあまり最後まで集めると未反応のNHS-ビオチンが混入するので,適当なところでやめておく。これをPBSに対して透析し,4℃で保存する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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