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文献詳細

雑誌文献

生体の科学40巻4号

1989年08月発行

文献概要

特集 研究室で役に立つ新しい試薬 活性制御試薬 プロテインキナーゼ阻害剤

スタウロスポリン

著者: 玉沖達也1

所属機関: 1協和発酵工業(株)東京研究所

ページ範囲:P.366 - P.366

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 ■特性および構造
 スタウロスポリンは最初,Streptomyces staurosporeusが生産する微生物アルカロイドとして単離され1),その後,各種の放線菌によって産生されることが報告されている。1986年にCキナーゼの非常に強い(現状では最強)阻害剤であることが明らかにされ2),注目されるようになった。さらにスタウロスポリンはCキナーゼ以外にAキナーゼや発癌遺伝子srcの産物であるp60v-srcチロシンキナーゼも同程度に強く阻害することが明らかになった3)(表1)。表2に示すように強い抗細胞活性をはじめ,多彩な生物活性が報告されており興味深い。
 構造は図1に示すとおりで,indolo〔2,3-a〕carbazole骨格を有し,実験式C28H26N4O3,分子量466である。水にはほとんど不溶性で,メタノール,クロロホルムにはわずかに溶け,DMSOによく溶ける。有機溶媒中で冷暗所に保存すれば安定である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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