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特集 研究室で役に立つ新しい試薬 活性制御試薬 カルモデュリン拮抗薬
カルモデュリン拮抗薬(総論)
著者: 石川智彦1 日高弘義1
所属機関: 1名古屋大学医学部薬理学教室
ページ範囲:P.370 - P.373
文献購入ページに移動 カルモデュリンは初め,環状ヌクレオチドホスホジエステラーゼ(PDE)の活性化因子として発見された蛋白質であるが,その後,細胞内Ca2+受容蛋白質としてほとんどすべての真核細胞に広く存在していることが明らかにされ,生体における主要な細胞内Ca2+情報伝達系を構成していると考えられるようになった1)。
現在,生理活性物質の多くはCa2+を介して細胞機能調節を行っていることが明らかにされており,細胞膜Ca2+チャネルからのCa2+流入や細胞内貯蔵Ca2+の遊離による細胞内Ca2+濃度の増加という形で細胞外からの情報が細胞内に伝達される。このCa2+の標的分子としてもっとも有力なものが細胞内Ca2+受容蛋白質で,これまでにトロポニンC,カルモデュリン,パルブアルブミン,S100蛋白,カルパイン(CANP),カルシニューニンなど多くの種類が知られている。これらの中で,カルモデュリンはもっとも普遍的に存在し,表1に示すような数多くのカルモデュリン依存性酵素やカルモデュリン結合蛋白質が精製されていることから,もっとも重要であると考えられている。
現在,生理活性物質の多くはCa2+を介して細胞機能調節を行っていることが明らかにされており,細胞膜Ca2+チャネルからのCa2+流入や細胞内貯蔵Ca2+の遊離による細胞内Ca2+濃度の増加という形で細胞外からの情報が細胞内に伝達される。このCa2+の標的分子としてもっとも有力なものが細胞内Ca2+受容蛋白質で,これまでにトロポニンC,カルモデュリン,パルブアルブミン,S100蛋白,カルパイン(CANP),カルシニューニンなど多くの種類が知られている。これらの中で,カルモデュリンはもっとも普遍的に存在し,表1に示すような数多くのカルモデュリン依存性酵素やカルモデュリン結合蛋白質が精製されていることから,もっとも重要であると考えられている。
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