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文献詳細

雑誌文献

生体の科学40巻4号

1989年08月発行

文献概要

特集 研究室で役に立つ新しい試薬 活性制御試薬 ホルボールエステル関連試薬

ホルボールエステル

著者: 佐野公彦1

所属機関: 1神戸大学医学部小児科

ページ範囲:P.401 - P.402

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 ■特性および構造
 ホルボールエステルはクロトン油から分離された強力な発癌プロモーターであり,多彩な生物学的作用を有する1)。ホルボールエステルはジテルペン核を骨格に持つ物質でその側鎖の構造によって様々な種類が存在する。中でももっとも強力な発癌プロモーター作用を有し,汎用されているホルボールエステルはphorbol 12-myristate-13-acetate(PMA)であり,TPA(12-O-tetradccanoyl Phorbol-13-acetate)とも呼ばれる。TPAの構造を図1に示す。TPAの実験式はC36H56O8で,分子量は616.8である。他のホルボールエステルの中でphorbol-12,13-dibutyrate(PDBu)はTPAとはほぼ同様の活性を持ち,3Hで標識されたPDBuはホルボールエステルのレセプターアッセイに使用される。一方,4-α-phorbol-12,13-didecanoatcなどは発癌プロモーター作用はなく,また,他の生物学的活性も見られない。ホルボールエステルの中で生物学的活性のあるものと活性のないものの一部を表1に示した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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