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文献詳細

雑誌文献

生体の科学40巻4号

1989年08月発行

文献概要

特集 研究室で役に立つ新しい試薬 膜関連試薬 カルシウムチャネル関連試薬

PN200-110(イスラジピン)

著者: 山田静雄1

所属機関: 1静岡県立大学薬学部薬剤学教室

ページ範囲:P.416 - P.416

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 ■構造,薬理作用および適用
 PN200-110(PN),isopropyl 4-(2,1,3-benzoxadiazol-4yl)-1,4-dihydro-5-methoxycarbonyl-2,6-dimethyl-3-pyridinecarboxylate(図1)は,最近サンド社から開発された新規の1,4-dihydropyridine(DHP)系カルシウム(Ca2+)拮抗薬で,血管拡張,血圧下降,徐脈を示す1)。DHP環の4位にbenzofurazone環を導入し,3,5位のエステル基を非対称としたところに特徴がある。きわめて低濃度(10−11〜10−9M)に0おいて電位依存性Ca2+channcl(voltage dcpendent Ca2+channel:VDC)に直接相互作用して,心筋や血管平滑筋細胞の膜興奮に伴うCa2+の流入を阻止する。従来の薬物と比べ,その作用は強力(イヌ脳底動脈でnifedipineやnimodipineの400〜700倍)で,脳・冠動脈への選択性が高く,かつ持続性である1-3)。これより細胞膜の興奮に伴うCa2+流入を阻止する"Pharmacological tool"として,Ca2+動態の研究に有用な試薬となる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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