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特集 研究室で役に立つ新しい試薬 膜関連試薬 カルシウムチャネル関連試薬
フルナリジン
著者: 赤池紀扶1
所属機関: 1東北大学医学部病態生体情報学講座
ページ範囲:P.417 - P.417
文献購入ページに移動 ■特性および構造
フルナリジン(flunarizine)は図1の化学構造を有するcinnarizineのdifluoro誘導体で,ベルギーのJanssen社で開発された。本剤は血管拡張作用,各種収縮物質に対する拮抗作用1,2)や大脳皮質のPO2上昇作用3)を有し,臨床的に脳の循環障害治療薬として用いられている。近年になって,脳神経細胞に見られる3種類のCa2+チャネル(T,NとL型)のうち,T型Ca2+チャネルをフルナリジンがより選択的に抑制することも明らかとなり4),本剤の抗痴呆作用がこのT型Ca2+チャネル抑制作用と関係があるのではないかと注目されている。
フルナリジン(flunarizine)は図1の化学構造を有するcinnarizineのdifluoro誘導体で,ベルギーのJanssen社で開発された。本剤は血管拡張作用,各種収縮物質に対する拮抗作用1,2)や大脳皮質のPO2上昇作用3)を有し,臨床的に脳の循環障害治療薬として用いられている。近年になって,脳神経細胞に見られる3種類のCa2+チャネル(T,NとL型)のうち,T型Ca2+チャネルをフルナリジンがより選択的に抑制することも明らかとなり4),本剤の抗痴呆作用がこのT型Ca2+チャネル抑制作用と関係があるのではないかと注目されている。
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