文献詳細
文献概要
特集 研究室で役に立つ新しい試薬 膜関連試薬 ナトリウムチャネル関連試薬
ブレベトキシン
著者: 坂東英雄1
所属機関: 1北海道薬科大学薬化学研究室
ページ範囲:P.430 - P.431
文献購入ページに移動 ■特性および構造
ブレベトキシンはフロリダ沖の赤潮に関係している渦鞭毛藻,GYmondinium breve(Ptychodiscus brevis)から単離された脂溶性のポリエーテル型のトキシンである。そのトキシンは構造上,2種類の基本骨格を持つ化合物に分類され(図1,a,b),現在までに7種類の化合物の構造が決定されている1,2)。
ラットの心臓標本で,10−8M濃度で陽性変力的な不整脈を引き起こし,その効果はテトロドトキシンによって阻害される。またNa,K-ATPaseの活性を阻害しない。この神経毒はNa+チャネルの第5薬物レセプター部に結合して膜の脱分極を引き起こし,テトロドトキシンによってその分極は阻害される3)。ラット脳のシナプトソームにおいて,バトラコトキシンやアコニチンなどのNa+チャネルの第2薬物レセプター部への結合力を増大させる。またα-サソリ毒には影響しないが,β-サソリ毒の第4レセプター部への結合力も増大させる4,5)。最強毒のBrevetoxin-Aについては標識された化合物がないので今後の研究が待たれる。
ブレベトキシンはフロリダ沖の赤潮に関係している渦鞭毛藻,GYmondinium breve(Ptychodiscus brevis)から単離された脂溶性のポリエーテル型のトキシンである。そのトキシンは構造上,2種類の基本骨格を持つ化合物に分類され(図1,a,b),現在までに7種類の化合物の構造が決定されている1,2)。
ラットの心臓標本で,10−8M濃度で陽性変力的な不整脈を引き起こし,その効果はテトロドトキシンによって阻害される。またNa,K-ATPaseの活性を阻害しない。この神経毒はNa+チャネルの第5薬物レセプター部に結合して膜の脱分極を引き起こし,テトロドトキシンによってその分極は阻害される3)。ラット脳のシナプトソームにおいて,バトラコトキシンやアコニチンなどのNa+チャネルの第2薬物レセプター部への結合力を増大させる。またα-サソリ毒には影響しないが,β-サソリ毒の第4レセプター部への結合力も増大させる4,5)。最強毒のBrevetoxin-Aについては標識された化合物がないので今後の研究が待たれる。
掲載誌情報