文献詳細
文献概要
特集 研究室で役に立つ新しい試薬 膜関連試薬 アラキドン酸カスケード修飾試薬
AA861
著者: 吉本谷博1
所属機関: 1徳島大学医学部生化学教室
ページ範囲:P.436 - P.437
文献購入ページに移動コエンザイムQ(ubiquinone)やビタミンK1(phylloquinone)などのイソプレノイド側鎖をもつキノン化合物は,植物や動物に普遍的に分布しており,電子伝達系,血液凝固,光合成などに関与している。AA861は,特異的な化学修飾によって有機合成されたベンゾキノン誘導体のうち,アラキドン酸5-リポキシゲナーゼに対する特異的阻害剤として開発されたものである1,2)。図1にその構造を示してあり,分子量は326.42(C21H26O3)で,その形状は黄色結晶性の粉末である。融点は57.4℃で,アルコール,アセトニトリル,酢酸エチル,クロロホルムなどの有機溶媒にはきわめて溶けやすいが,水にはほとんど溶けない。そのメタノール溶液は,268nmに吸収極大を示す。
掲載誌情報