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文献詳細

雑誌文献

生体の科学40巻4号

1989年08月発行

文献概要

特集 研究室で役に立つ新しい試薬 膜関連試薬 アラキドン酸カスケード修飾試薬

RS-5186(トロンボキセン合成酵素阻害剤)

著者: 山崎光郎1

所属機関: 1三共(株)活性物資研究所

ページ範囲:P.441 - P.441

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 RS-5186は強力なトロンボキセン(TX)合成酵素阻害剤で,その構造式を図1に示す。実験式C13H11O2N2SNa,分子量282.3,融点>300℃,水に易溶な無色結晶である。
 TX合成酵素(ウサギ血小板ミクロゾーム)に対するRS-5186の50%阻害濃度(IC50)は13nM。同じ条件での他のTX合成酵素阻害剤のIC50。は次のとおりである:OKY-046,38nM:CV-4151,39nM:Dazoxiben,106nM。シクロオキシゲナーゼ,5-リポオキシゲナーゼおよびホスホリパーゼA2は300μMでも阻害しない1)
 RS-5186は動物に投与した時,作用が長時間持続するのが特徴である。イヌにRS-5186または,他のTX合成酵素阻害剤(OKY-046,CV-4151)を静脈投与後,経時的に採血し,血液凝固させた後に得られた血清中のTXB2値を図2に示す。RS-5186の0.1,1,10mg/kgの投与で用量依存的にTXB2の生成を抑制し,他のTX合成酵素阻害剤よりも持続性がある1)。このようにRS-5186の作用が長時間持続する理由は,この物質が特異的に血小板に蓄積すること,および代謝を受け難いためであることが明らかにされている2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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