icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学40巻4号

1989年08月発行

特集 研究室で役に立つ新しい試薬

セカンドメッセンジャー関連試薬 遊離カルシウム測定試薬

界面活性剤(Pluronic F127,Cremophor EL)

著者: 唐木英明1

所属機関: 1東京大学農学部獣医薬理学教室

ページ範囲:P.457 - P.457

文献概要

 Fura-2は水溶性の物質であり,細胞膜透過性はほとんどない。他方,膜透過性の高いfura-2のacetoxymethyl体(fura-2/AM)はきわめて水に溶けにくい。通常fura-2/AMはDMSOに溶かしてあるが,これを栄養液に加えると白濁し,そのほとんどが管壁に沈着する。fUra-2/AMの量を増やせばその有効濃度はある程度は増加するが,超音波の使用により溶解度の増加を計っても,その最大有効濃度は1μM以下である。この溶液を螢光顕微鏡で観察すると,fura-2/AMの大部分は直径2μm程度の顆粒として浮遊し,遠沈によりこれらの顆粒はほとんどすべて沈澱する。このような溶液を用いても,血小板,単離細胞などはfura-2/AM顆粒と接触し,これを取り込むことができる。しかし,これらの大きな顆粒は細胞間隙に入り込めないために,組織片にfura-2/AMを取り込ませることはほとんど不可能である。また1μM以上の有効濃度のfura-2/AM溶液を使用しないとその取り込みが悪い細胞も多いので,単にfura-2/AMを加えた栄養液では実験ができない場合が多い1)
 Fura-2/AMの有効濃度を増し,その顆粒を小さくするためには,比較的細胞毒性の低い界面活性剤を少量添加することが有効である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら