icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学40巻4号

1989年08月発行

特集 研究室で役に立つ新しい試薬

セカンドメッセンジャー関連試薬 GTP結合蛋白関連試薬

コレラ毒素

著者: 三木直正1

所属機関: 1金沢大学がん研究所薬理部

ページ範囲:P.465 - P.465

文献概要

 ■特性および構造
 コレラ毒素はコレラ菌(vibrio cholerae)のが産生する,分子量約85,000の純蛋白質である1)。α,βサブユニットからなり,図1のような構造をしている。FieldやGreenoughら(1969)によりコレラ毒素の作用がcyclicAMPを介して作用すること,Finkelstein(1970)によりコレラ毒素が純粋な蛋白質として精製されたこと,毒素によるアデニレートサイクラーゼ(AC)の活性化にNADが必要である2)などの実験より,コレラ毒の作用がADP-ribosylatlonによることが証明された。これは,ジフテリア毒素の作用機作と類似している。疎水性のA1サブユニットに酵素活性が存在し,Bサブユニットは親水性で,5個ある。Bサブュニットが細胞表面のGM1ガングリオシドに結合すると,A1サブユニットが細胞膜に侵入し,GTP結合蛋白質をADP-ribosyl化する。したがって,コレラ毒と細胞をインキュベートしても,すぐにはACは活性化されず,数十分かかる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら