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特集 研究室で役に立つ新しい試薬 セカンドメッセンジャー関連試薬 PI関連試薬
PI関連試薬(総論)
著者: 竹縄忠臣1
所属機関: 1東京都老人総合研究所薬理学研究室
ページ範囲:P.471 - P.475
文献購入ページに移動 哺乳動物のような高等動物ともなると,諸々の組織を形作る細胞はホルモンを初めとする多くの液性因子によって二重三重にその機能が調節されている。ほとんどの液性因子は標的細胞の細胞膜上に特異的な受容体を持ち,情報を細胞内に伝え,細胞機能を調節する細胞内情報伝達系を持つ。
ホルモンや神経伝達物質の細胞内情報伝達系として,cAMPをセカンドメッセンジャーとする系は,今日よく知られている。近年,cAMPとは異なった伝達系として,イノシトールリン脂質代謝を情報伝達の手段とする系の研究が精力的に行われ,その情報伝達系の全貌がほぼ明らかとなってきた。今からさかのぼること36年前の1953年,Hokin and Hokinは,ホルモンによるイノシトールリン脂質代謝亢進を初めて見出した。しかし当時この現象が何を意味するのか,どのような生理作用と関係しているのかまったくわからず,現象そのものもすぐに忘れ去られてしまった。ホルモンによって生じるイノシトールリン脂質代謝亢進の生理的役割についての考えを初めて述べたのは,R.H.Michcll1)である。発見から経ること22年後の1975年であった。
ホルモンや神経伝達物質の細胞内情報伝達系として,cAMPをセカンドメッセンジャーとする系は,今日よく知られている。近年,cAMPとは異なった伝達系として,イノシトールリン脂質代謝を情報伝達の手段とする系の研究が精力的に行われ,その情報伝達系の全貌がほぼ明らかとなってきた。今からさかのぼること36年前の1953年,Hokin and Hokinは,ホルモンによるイノシトールリン脂質代謝亢進を初めて見出した。しかし当時この現象が何を意味するのか,どのような生理作用と関係しているのかまったくわからず,現象そのものもすぐに忘れ去られてしまった。ホルモンによって生じるイノシトールリン脂質代謝亢進の生理的役割についての考えを初めて述べたのは,R.H.Michcll1)である。発見から経ること22年後の1975年であった。
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