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文献詳細

雑誌文献

生体の科学40巻4号

1989年08月発行

文献概要

特集 研究室で役に立つ新しい試薬 セカンドメッセンジャー関連試薬 PI関連試薬

ヘパリン

著者: 飯野正光1

所属機関: 1東京大学医学部薬理学教室

ページ範囲:P.481 - P.481

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 ■特性および構造
 硫酸化ムコ多糖の一種,D-グルコサミンとL-イズロン酸,およびD-グルコサミンとD-グルクロン酸の繰り返し単位からなる長鎖多糖で,グルコサミンの2位のアミノ基,6位の水酸基,イズロン酸の2位の水酸基に硫酸が結合する。アンチトロンビンⅢと結合し,協同して血液凝固阻害を起こすことがよく知られている。最近,ヘパリンはイノシトール1,4,5三燐酸(IP3)受容体とIP3の結合を強く抑制し1),IP3による細胞内ヵルシウムストアからのカルシウム放出を特異的に阻害することが見出され2-4),細胞内カルシウム動員機構の研究に有用な道具として用いることができるのではないかとして注目されている。
 市販されているのは,肺,腸粘膜などから抽出されたものが多い。分子量は6,000から20,000程で,水によく溶ける(50mg/ml程度)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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