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文献詳細

雑誌文献

生体の科学40巻4号

1989年08月発行

文献概要

特集 研究室で役に立つ新しい試薬 糖関連化学物質(試薬) レクチン

マイトーゲン

著者: 豊島聰1

所属機関: 1東京大学薬学部生体異物・免疫化学教室

ページ範囲:P.497 - P.498

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 ■特性と構造
 ある種のレクチンはリンパ球を活性化し,その分裂増殖を誘導する1)。このようなレクチンをマイトーゲンと呼ぶ。表1にマイトーゲン活性を有する主なレクチンを示した。この表のマイトーゲンのほとんどはT細胞のみを活性化する。PWMはB細胞も活性化する。PWMには5種類のイソレクチン(Pa-1〜Pa-5)が存在し,多少活性が異なる2)。マウスでは,Pa-1のみがB細胞をT細胞に依存しないで活性化するが,Pa-2〜Pa-5はT細胞のみを活性化する。ヒトのB細胞は,Pa-1およびPa-2によって活性化されるが,T細胞依存的であり,B細胞が直接活性化されるのではないと考えられる。マイトーゲンによる活性化は,T,B細胞に対する特異性を示すのみでなく,動物種に対しても特異性が存在し,SBAはブタリンパ球を活性化するが,ヒト,ラット,マウスのリンパ球を活性化しない。またPNA,SBA,WFHおよびDolichos biflorusの葉・茎からのレクチンはシアリダーゼ処理したリンパ球に対してのみ活性化能を示す。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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