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文献詳細

雑誌文献

生体の科学40巻4号

1989年08月発行

文献概要

特集 研究室で役に立つ新しい試薬 糖関連化学物質(試薬) 糖鎖分解酵素(グリコシダーゼ)

エンドグリコセラミダーゼ

著者: 山形達也1 伊東信1

所属機関: 1三菱化成生命科学研究所複合糖質研究室

ページ範囲:P.512 - P.513

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 エンドグリコセラミダーゼ(EGCase)はRohdococcussp.の培地から単離されたエンド型酵素で,スフィンゴ糖脂質に作用し,オリゴ糖とセラミドを同時に完全な形で生成する1)。スフィンゴ糖脂質は両親媒性であり,疎水性のセラミドを細胞表面の脂質二重膜の中に埋め込み,親水性の糖鎖を細胞膜から外に突き出していると考えられている。セラミドを構成するスフィンゴシン塩基と脂肪酸に構造上の変異がある他,糖鎖構造にも様々な種類があり,糖鎖構造で区別しても,200を超える異なる分子があるという。これらの糖脂質は細胞表面にあって,ウイルスや毒素のレセプターとなる他,細胞周期,細胞分化,癌化により種類も量も変化するし,外から加えた糖脂質が細胞分化を惹き起こす場合も知られてきて,細胞にとって重要な生物情報を担う分子と考えられるようになった。しかし,今まで,このスフィンゴ糖脂質から定量的にオリゴ糖とセラミドを得る方法がなかったことを考えると,このEGCaseの貢献は大きなものだと言える。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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