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文献詳細

雑誌文献

生体の科学40巻4号

1989年08月発行

文献概要

特集 研究室で役に立つ新しい試薬 糖関連化学物質(試薬) 糖鎖

グルクロン酸糖脂質

著者: 杉田陸海1

所属機関: 1滋賀大学教育学部化学教室

ページ範囲:P.520 - P.520

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 ■特性および構造
 グルクロン酸含有糖脂質は昆虫類(キンバエLuciliacaesar幼虫1)およびホホアカクロバエCalliphera vicina蛹2))から単離された(表1)。構造上の特色としては,①直鎖型である,②アミノ糖残基を多く含む,③マンノースを1モル含有する,④GalNAcβ1-4GlcNAcβ1-3Manの三糖残基は自然界で初めて見出された糖配列である,などがあげられる。また,最近になってヒト末梢神経に硫酸化グルクロン酸糖脂質が見出され(表1)3,4),これらの酸性糖脂質に対する自己抗体が末梢神経障害症状を呈するIgMM-蛋白質血症の患者血清中に存在することが報告されている。昆虫類のグルクロン酸糖脂質もまた,IgMM-蛋白質血症患者血清と反応することが明らかになっている。しかし,その活性はヒト末梢神経由来のsuifoglucuronylparaglobosideの1/100〜1/150程度(ELISA法による測定結果)であることから,この蛋白質は糖脂質の非還元末端部の三糖残基を特異的に認識するものと思われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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