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文献詳細

雑誌文献

生体の科学40巻5号

1989年10月発行

文献概要

特集 核内蛋白質

核マトリックスのDNA結合部位

著者: 筒井研1

所属機関: 1岡山大学医学部癌源研究施設生化学部門

ページ範囲:P.529 - P.532

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 核マトリックス(nuclear matrix)は本来,Berezney & Coffey1)によって使われた用語で,分離核を高濃度の塩,非イオン性界面活性剤,ヌクレアーゼの順に処理して可溶化されない,主として蛋白質からなる構造体を意味する。その他多くの研究者が,同様の方法で調製した標品をcage,skeleton,scaffoldなど様々な名称で呼んでいる2-4)。これらは形態も蛋白質の組成もかなり相違しているが,本稿では"マトリックス"という言葉のもつ含意をそのまま適用して,すべて核マトリックスの一形態と考える。核マトリックスはアーチファクトであるとしてその存在すら疑われたこともあるが5),最近数年の間に出された報告は新たな方向から核マトリックスの実在を支持するものである。ここでは核マトリックスをDNAとの相互作用という観点から眺めた研究を紹介する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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