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文献詳細

雑誌文献

生体の科学40巻5号

1989年10月発行

文献概要

連載講座 チャネル研究の新展開

機械受容性イオンチャネル

著者: 大森治紀1

所属機関: 1生理学研究所生体システム部門

ページ範囲:P.579 - P.585

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 イオンチャネルは,細胞内に埋め込まれた蛋白質でありイオンを通すチャネル部分と,イオンの流れを制御するゲート構造と,そして通過するイオン種を定めるフィルター構造とで構成されると考えられている。機械刺激によって開閉が制御されるイオンチャネルの場合は,膜電位あるいは化学物質の結合をセンスする代わりに,膜に加わる機械的な歪をセンスしてチャネルはゲートされる。すなわち,ゲートのセンサー機構の違いによって,イオンチャネルは様々な物理・化学量によってゲートされることになる。本稿では,ヒヨコの内耳有毛細胞に存在する機械刺激受容性イオンチャネルを解説する。機械刺激によってゲートされるイオンチャネルは,有毛細胞以外にも,筋の伸展受容器あるいは神経の感覚終末であるパッチニ小体上に古くから存在が予測されている。しかしながら,明らかにチャネル現象として捉えられたものは,有毛細胞以外では,骨格筋(Guharay & Sachs,1984),血管内皮細胞(Lansman,Hallam & Rink,1987),上皮細胞(Christensen,1987)などの動物細胞および酵母(Gustin,Zhou,Mortinac & Kung,1988)において知られている,いわゆる stretch activatedchannelである。こうしたチャネルは,Na,K,Caイオンなどを通し,30〜70pSの単位伝導度を示している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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