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特集 ギャップ結合
ギャップ結合の超微構造
著者: 片岡勝子1 山本正夫1
所属機関: 1広島大学医学部解剖学教室
ページ範囲:P.611 - P.616
文献購入ページに移動 ギャップ結合は,隣り合った細胞間に形成される電気抵抗の低い特殊化した部位で,ギャップ結合によって形成された細胞間チャネルをイオンや小分子が通ることにより,細胞間コミュニケーションが行われると考えられている1-4)。ギャップ結合は,また,ネクサスあるいはcommunicating junctionとも呼ばれる。
ギャップ結合は,最初,無脊椎動物の神経細胞間のシナプス(電気的シナプス)で見つけられた5)。その後,高等動物においても,次のような種々の細胞群にギャップ結合が見出されている。心筋や平滑筋は,ギャップ結合を介して電気的な興奮の伝達を行っている代表的な細胞で,とくに心筋の介在板には非常によく発達したギャップ結合がある。ギャップ結合は,また,非興奮性細胞の間にも存在し,細胞群の代謝的couplingを行っていると考えられている。たとえば,唾液腺,肝臓,膵臓などの外分泌細胞,甲状腺,副腎皮質,黄体などの内分泌細胞である。眼球の水晶体も,ギャップ結合が良く発達している組織の代表的なものである。ギャップ結合を分離,精製して行われる研究にも,多くは心筋,肝臓,水晶体が用いられており,分子量27,000daltonのコネキシンが主要な構成蛋白として知られている。
ギャップ結合は,最初,無脊椎動物の神経細胞間のシナプス(電気的シナプス)で見つけられた5)。その後,高等動物においても,次のような種々の細胞群にギャップ結合が見出されている。心筋や平滑筋は,ギャップ結合を介して電気的な興奮の伝達を行っている代表的な細胞で,とくに心筋の介在板には非常によく発達したギャップ結合がある。ギャップ結合は,また,非興奮性細胞の間にも存在し,細胞群の代謝的couplingを行っていると考えられている。たとえば,唾液腺,肝臓,膵臓などの外分泌細胞,甲状腺,副腎皮質,黄体などの内分泌細胞である。眼球の水晶体も,ギャップ結合が良く発達している組織の代表的なものである。ギャップ結合を分離,精製して行われる研究にも,多くは心筋,肝臓,水晶体が用いられており,分子量27,000daltonのコネキシンが主要な構成蛋白として知られている。
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