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文献詳細

雑誌文献

生体の科学40巻6号

1989年12月発行

文献概要

特集 ギャップ結合

ギャップ結合と裏打ち

著者: 渡辺皓1 外崎昭1

所属機関: 1山形大学医学部解剖学第一講座

ページ範囲:P.630 - P.634

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 ギャップ結合(GJ)の機能的単位をなすコネクソンの集合状態が,細胞骨格あるいは裏打ち構造により調節を受けることが示唆されている1,2)。しかし,GJと裏打ちとの機能的関連性を示す形態学的所見は十分に得られていない。この理由の一つに,これまでよく調べられてきたGJの多くは,明瞭な裏打ちを形成していないことがあげられる3,4)。あるいは,これらのGJの裏打ちが,一般的に形態学的にとらえにくい構造なのかも知れない。
 ところが,副腎クロマフィン細胞に見られるGJは,例外なく裏打ちを備えているし,哺乳類を含む多くの動物種の電気シナプスにも,特殊な裏打ちを備えたGJが観察されている5)。また,副腎のステロイド産生細胞のGJのように,細胞表面に平面的に広がる場合は特別な裏打ちを持たないが,GJ膜が隣接細胞のいずれかに陥入し取り込まれる際に特別な裏打ちを持つものも知られている6)。ここでは,こうした特徴的な裏打ちを備えたGJの構造について解説し,さらに裏打ちの機能的役割についても考察しようと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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