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文献詳細

雑誌文献

生体の科学40巻6号

1989年12月発行

特集 ギャップ結合

コネクシン:ギャップ結合構成蛋白質

著者: 竹田晃1 嶋津孝2

所属機関: 1愛媛大学医学部臨床検査医学教室 2愛媛大学医学部医化学第一教室

ページ範囲:P.640 - P.644

文献概要

 ギャップ結合は隣接する細胞間に存在する接着装置の一つで,その実体は細胞間チャネルの集合体である。1個のギャップ結合チャネルは蛋白質サブユニットの12量体からなり,6個のサブユニットが形質膜上で6角形状に配列してコネクソン(connexon)と呼ばれるhemichannelを形成する。そして隣接する細胞の形質膜が接する部位で,2個のコネクソンがその細胞外に突出した部分どうし接着して完全なチャネルを形成する。このチャネルの中心部には径1.5〜2nmの親水性の通路があり,イオンや低分子量物質を通過させる。精製したギャップ結合をSDS-PAGEで解析すると,肝臓では27K,心臓では44〜47Kの主要構成蛋白質が検出され,N末端アミノ酸配列の相同性から両者は類似した蛋白質であると考えられてきた。さらにこれらの蛋白質をコードしているcDNAの塩基配列より決定した。一次構造から,両者は相同性があり同じ遺伝子ファミリーに属することが明らかになった。そこでBeyerらはコネクシンという名称を再導入し,それにcDNAから推定される分子量(kDa)を付けて,コネクシン32,-43などと呼ぶよう提案した1)。現在ではこの名称が広く受け入れられつつある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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