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文献詳細

雑誌文献

生体の科学41巻1号

1990年02月発行

文献概要

特集 発がんのメカニズム/最近の知見

化学発がんのメカニズム

著者: 牛島俊和1 長尾美奈子1

所属機関: 1国立がんセンター発がん研究部

ページ範囲:P.9 - P.15

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 化学発がんには,発がん機構を解析するためのモデルとしての意味と,ヒトの発がん物質を検索するという意味とがある。従来,前者は化学物質が遺伝子へ及ぼす変化を中心に研究され,後者は化学物質への暴露群と非暴露群との比較対照という主に疫学的な手法を用いて研究されてきた。最近の研究により,体内での薬物動態,DNA分子と化学物質の相互作用,DNA付加体生成,その修復機構などの解析を通して,この二つの研究の間のギャップはかなり埋ってきた。また,発がんの,どのステップで,どの細胞の,どの遺伝子が変化を受けるかということもかなり判明してきている。
 本稿では,おもにマウスの皮膚化学発がんから形成された多段階発がんのモデルについて解説し,その後,いくつかの実験系でのがん関連遺伝子と化学物質の関連について述べてみたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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