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文献詳細

雑誌文献

生体の科学41巻1号

1990年02月発行

文献概要

特集 発がんのメカニズム/最近の知見

転写制御因子と発がん

著者: 中越英樹1 石井俊輔1

所属機関: 1理化学研究所ライフサイエンス筑波研究センター・分子遺伝学研究室

ページ範囲:P.33 - P.36

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 レトロウイルスのもつがん遺伝子との相同性から,これまでに数多くの細胞性がん遺伝子(proto-oncogene)が見出されてきた。これらプロトオンコジーン産物の機能については不明な点も多いが,細胞の増殖や分化に密接に関与していることが次第に明らかにされつつある。なかでも,その遺伝子産物が核内に局在する一連のがん遺伝子群(核内がん遺伝子)は,遺伝子発現調節に関与していることが予想されていたが,最近,発がんプロモーターTPAにより誘導される転写活性化因子AP-1(activator protein-1)がプロトオンコジーンc-junの産物そのものであることが明らかとなり,転写制御因子と細胞がん化との関連性が示唆された。
 本稿では,核内がん遺伝子のうち,転写制御因子としての機能が明らかにされてきたc-jun,c-fos,c-mybについて細胞がん化との関連性を考察する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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