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文献詳細

雑誌文献

生体の科学41巻2号

1990年04月発行

文献概要

特集 細胞接着

細胞接着と筋原線維形成

著者: 小宮山政敏12 豊田直二1 嶋田裕1

所属機関: 1千葉大学医学部解剖学第一講座 2国際武道大学体育学部解剖学教室

ページ範囲:P.95 - P.98

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 長線維状の筋細胞において,それを特徴づける筋原線維(筋細線維)は細胞に張力の発生する方向,すなわち起始から停止に向かって規則正しく走行している。また培養した骨格筋および心筋細胞においても,筋原線維は長管状の細胞においてはその長軸方向,また多角形の細胞においては対角線方向に規則的に分布している。このように筋原線維が規則的に配列するのは,細胞と基質(骨あるいは培養皿)あるいは細胞同士の接着によって細胞内に張力が発生することと深い関係があるのではないかということが想像されている1-4)
 細胞内の張力を直接測定したり,あるいは細胞に張力をかけることにより筋原線維形成の方向性を調べることは難しいが,張力のかかると思われる推定線4)と筋原線維走向との関係を,培養細胞の基質への接着部位を干渉反射顕微鏡(IR)を用いて調べることは可能である。このような実験系を用いて,われわれはニワトリ心筋細胞の培養において細胞接着と筋原線維形成との関係について観察4,5,6)したので,その結果について考察して述べることにする。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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