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文献詳細

雑誌文献

生体の科学41巻2号

1990年04月発行

文献概要

特集 細胞接着

デスモソームとヘミデスモソーム

著者: 尾張部克志1

所属機関: 1名古屋大学理学部分子生物学教室

ページ範囲:P.99 - P.102

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 細胞接着には細胞間および細胞・基質問の接着がある。高等動物細胞の接着装置には裏打ち構造としてマイクロフィラメントが関与するものと中間径線維が関与するものがある。中間径線維の関与している接着装置としては,細胞間ではデスモソーム,細胞と基質間ではヘミデスモソームが知られている(図1)。デスモソームやヘミデスモソームが豊富に存在する組織は表皮や舌上皮,眼の角膜上皮などである。これらの組織は重層扁平上皮から成り,直接外界にさらされている摩耗の激しい組織である。このような組織では,高い再生力とともに細胞同士が互いに,また上皮全体が基質に強固に接着することが不可欠である。デスモソームとヘミデスモソームはこのような目的を達成するための接着装置と思われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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