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文献詳細

雑誌文献

生体の科学41巻2号

1990年04月発行

文献概要

解説

逆説睡眠の最近の知見

著者: 酒井一弥1

所属機関: 1Département of Médecine Expérimentale, Université Claude Bernard

ページ範囲:P.144 - P.152

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 よく知られているように,“逆説睡眠”あるいは“レム睡眠”(REM,Rapid Eye Movementの略)と呼ばれる特異な睡眠期の研究は,1953年にアメリカのAserinskyとKleitman1)が,夜間の睡眠時に速い目の動き(“急速眼球運動―REM”)が周期的に出現することを発見したことに端を発する。その後DementとKleitmanら2,3)によって,この特異な睡眠期には,それまで覚醒時に特有なものと思われていた,速く振幅の小さな脳波(“低振幅速波”あるいは“脳波の脱同期”)が記録されること,この睡眠期がほぼ90分間隔で夜間に4~5回繰り返され,“夢”と密接に関係していることが明らかにされた。1958年にDement4),翌年にはフランスのJouvet5)らによって,この睡眠期がネコでも観察されることが報告され,その後逆説睡眠の研究は急速に進んだのである。
 逆説睡眠期には,大脳皮質脳波の脱同期化や,急速眼球運動というきわめて特徴的な持続的(tonic)そして相動的(phasic)な現象の他に,数多くの現象が中枢や末梢で観察される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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