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文献詳細

雑誌文献

生体の科学41巻3号

1990年06月発行

文献概要

実験講座

ポリ-L-アスパラギン酸を利用した微小管付随タンパク質の新しい分離・精製法

著者: 藤井敏弘1 新井孝夫2

所属機関: 1信州大学繊維学部機能高分子学科生体高分子学教室 2東京理科大学理工学部応用生物科学科

ページ範囲:P.219 - P.224

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 真核細胞に広く存在する微小管は,外径24nm,長さ数μm~数mmの管状構造を持つ細胞骨格の一つとして知られている。形態分化や分化した形態の維持といった細胞骨格としての機能の他に,繊毛・鞭毛運動や細胞分裂時の染色体移動,細胞内物質移動,分泌,トランスメンブランコントロールなどの多様な生命現象に関与している。微小管は主成分のチュブリン(分子量53~55kDaのα,βサブユニットのヘテロダイマー)以外にMAPs(microtubule-associated proteins;微小管付随タンパク質)と総称される成分から構成されている1)
 チュブリンは種間の構造差が少ない進化に保守的なタンパク質であるのに対し,MAPsは同一種,同一細胞においても多種類みられ,しかもそれらの局在が著しく異なっている。これらのことは微小管の機能の多様性にこれらのMAPsが重要な役割を果たしていることを示唆している。本稿においては,最近著者らが開発したポリ-L-アスパラギン酸への親和性を利用した哺乳類動物脳MAPsの新しい分離法について紹介したい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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