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文献詳細

雑誌文献

生体の科学41巻4号

1990年08月発行

文献概要

特集 New proteins 細胞外基質タンパク質 コラーゲン

collagen

著者: 澤田元1 許斐博史2

所属機関: 1横浜市立大学医学部解剖学教室 2国立精神・神経センター神経研究所疾病二部

ページ範囲:P.254 - P.260

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 コラーゲンは細胞外マトリックスの主な成分で,皮膚や腱の67nm周期の特徴的な縞模様を示す線維として古くからよく知られている。最近,コラーゲンには遺伝子の異なる数多くの型(タイプ)が存在することが次々に判明してきた。コラーゲンの型はほぼ発見順に数字を付けて分類されている。
 まずコラーゲンの共通の特徴であるが,一分子は3本のポリペプチドからなる三重ラセンの構造が分子のかなりの部分を占めている。この三重ラセン部の基本の構造はGly-X-Yが繰り返すアミノ酸配列によってできている。したがってグリシンが全アミノ酸の約3分の1を占める。X部にはプロリンが多く,Yにはヒドロキシプロリンが多い。3本のポリペプチドの一つ一つはα鎖と呼ばれ,一分子は一種類のα鎖からなることも,別々の遺伝子によりコードされる複数種のα鎖からなることもある。このα鎖はα1,α2,α3というように後ろに数字を付けて呼ばれ,さらにコラーゲンの型の番号をつけて,たとえばⅠ型コラーゲンではα1(Ⅰ),α2(Ⅰ)というように呼ばれる。多くのⅠ型コラーゲンはα1(Ⅰ)鎖2本とα2(Ⅰ)鎖1本からなるので鎖の構成は「α1(Ⅰ)]2α2(Ⅰ)というように記載される。コラーゲンを構成するアミノ酸には他のタンパク質ではほとんどみられないヒドロキシプロリン,ヒドロキシリジンがある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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