文献詳細
特集 LTPとLTD:その分子機構
文献概要
1950年から1960年代にかけて,われわれは複雑極まりなく見える脳の内部で働くシナプスの作用に,興奮,シナプス後抑制,シナプス前抑制の3種しか見つからないのに驚嘆した。今同じ思いをシナプス可塑性について新たにしている。
1966年Brindley2)が理論的に10種のシナプス可塑性の存在を予見したがその後実際に確立したのは長期増強(LTP),長期抑圧(LTD)と感作の3種に過ぎない。しかも感作は軟体動物の神経節でよく調べられているが,脊椎動物の神経系にはそのままのかたちのものは見つからない。したがって脊椎動物ではLTPとLTDの2種類になる。さらに,LTPは大脳に,LTDは小脳に特徴的に存在すると言う驚くべき単純な図式が成立するのである。
1966年Brindley2)が理論的に10種のシナプス可塑性の存在を予見したがその後実際に確立したのは長期増強(LTP),長期抑圧(LTD)と感作の3種に過ぎない。しかも感作は軟体動物の神経節でよく調べられているが,脊椎動物の神経系にはそのままのかたちのものは見つからない。したがって脊椎動物ではLTPとLTDの2種類になる。さらに,LTPは大脳に,LTDは小脳に特徴的に存在すると言う驚くべき単純な図式が成立するのである。
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