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文献詳細

雑誌文献

生体の科学41巻5号

1990年10月発行

文献概要

特集 LTPとLTD:その分子機構

LTPにおけるペプチドの作用―ハチ毒MCDペプチドを中心に

著者: 池中一裕1 御子柴克彦1

所属機関: 1大阪大学蛋白質研究所機能制御部門

ページ範囲:P.473 - P.476

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 シナプス伝達効率の長期増強(LTP:long term potentiation)は本特集の他の項で詳しく述べられているように,入力線維の高頻度電気刺激(テタヌス刺激)によりシナプスの伝達効率が長期にわたって増強する現象であり,記憶や学習と深く関連している可能性があるため注目されている。LTPもしくはLTP様の現象は電気刺激に限らずある種の物質を投与することによっても誘導されることが知られている。このような物質の代表としていろいろな神経伝達物質が挙げられるが,ハチ毒の一種であるMCD(mast cell degranulating)ペプチドもin vitroでラット海馬スライスの灌流液に加えるとLTPを誘導することが報告された1)。このMCDに対する高親和性結合部位が脳内に存在することが知られていた2)ので,われわれはMCDレセプターの性質を明らかにすることがLTPの分子機構を解明する上で有用な知見を与えるものと考えMCDを用いた実験を開始した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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