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連載講座 新しい観点からみた器官
肝臓―毛細胆管の収縮機能
著者: 織田正也1 横森弘昭1 石井完治1 金子博1 東俊文1 西崎泰弘1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部消化器内科
ページ範囲:P.513 - P.524
文献購入ページに移動最近,肝細胞内に新しい小器官(organelle)として細胞骨格(cytoskeleton)1)の存在が注目され,とくに胆道系の起始部である毛細胆管の周囲に豊富に見出されたアクチンフィラメント(マイクロフィラメント)2)は毛細胆管の律動的な収縮運動をひき起こし,毛細腔に分泌された胆汁を駆出する物理的要因として重要であることが指摘された。そして,この毛細胆管周囲性アクチンフィラメント(BCMF)の障害によって,肝臓内に胆汁が停滞する,いわゆる肝内胆汁うっ滞と呼ばれる黄疸が起こることが示され,新しい病因説の提唱に至った3)。
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