icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学41巻6号

1990年12月発行

実験講座

培養細胞シナプス電流のnonstationary fluctuation解析

所属機関: 1東京都神経科学総合研究所病態神経生理学研究室

ページ範囲:P.583 - P.589

文献概要

 パッチクランプ法による単一チャネル電流の解析は伝達物質のレセプター・イオンチャネルにも広く適用されている1)。しかし従来の手法は培養細胞などを用いアゴニストによって開くチャネルの特性の分析が主で,いわば“extrasynaptic”のレセプターのチャネルを観察しており,生理的な条件下で伝達物質の放出後に起こるsynapticなレセプター・イオンチャネルの動態と同一か否かが常に問題となる。ニコチン性アセチルコリンレセプターに見られるようにextrasynapticとsynapticレセプターの差は構成するサブユニットがδ型であるかε型であるかによって生ずることが知られ2,3),他のレセプターについても当然同様な機構の存在が考えられる。
 シナプス伝達機構の理解のためシナプス後膜における単一チャネル電流の解析を行う場合,いくつかの重要な問題が残されている。シナプス後膜のチャネルの動態と伝達物質放出の過程がシナプス後電流の時間経過をどのように決定しているのか? シナプス後電流発生時にチャネルはどのような比率で開口しているのか? シナプス後膜のチャネルのランダムなゲート機構によるノイズは意味をもつのか? などである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら