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文献概要
パッチクランプ法による単一チャネル電流の解析は伝達物質のレセプター・イオンチャネルにも広く適用されている1)。しかし従来の手法は培養細胞などを用いアゴニストによって開くチャネルの特性の分析が主で,いわば“extrasynaptic”のレセプターのチャネルを観察しており,生理的な条件下で伝達物質の放出後に起こるsynapticなレセプター・イオンチャネルの動態と同一か否かが常に問題となる。ニコチン性アセチルコリンレセプターに見られるようにextrasynapticとsynapticレセプターの差は構成するサブユニットがδ型であるかε型であるかによって生ずることが知られ2,3),他のレセプターについても当然同様な機構の存在が考えられる。
シナプス伝達機構の理解のためシナプス後膜における単一チャネル電流の解析を行う場合,いくつかの重要な問題が残されている。シナプス後膜のチャネルの動態と伝達物質放出の過程がシナプス後電流の時間経過をどのように決定しているのか? シナプス後電流発生時にチャネルはどのような比率で開口しているのか? シナプス後膜のチャネルのランダムなゲート機構によるノイズは意味をもつのか? などである。
シナプス伝達機構の理解のためシナプス後膜における単一チャネル電流の解析を行う場合,いくつかの重要な問題が残されている。シナプス後膜のチャネルの動態と伝達物質放出の過程がシナプス後電流の時間経過をどのように決定しているのか? シナプス後電流発生時にチャネルはどのような比率で開口しているのか? シナプス後膜のチャネルのランダムなゲート機構によるノイズは意味をもつのか? などである。
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