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文献概要
特集 脳と免疫
脳におけるクラスⅡ抗原発現細胞とその役割
著者: 松本陽1
所属機関: 1新潟大学医学部医動物・免疫教室
ページ範囲:P.23 - P.27
文献購入ページに移動 かつて中枢神経系は免疫応答の起きにくい臓器である1)と考えられたこともある。しかし,最近の報告によれば,中枢神経は皮膚や消化管などの臓器とは異なったユニークな免疫応答を行うことが明らかになりつつある。さらに免疫系自体にも種々の信号を送っていることもわかってきている。
このレポートでは中枢神経の免疫能を主要組織適合抗原クラスⅡ抗原(Ia抗原)に焦点をあてながら考えてみたい。Ia抗原***はT細胞が抗原認識する際のキーとなる分子で,この分子の発現様式や発現細胞を解析することは局所免疫応答調節機構を知る上でかかせない。まず,Ia分子の機能とIa陽性細胞に関する一般知識を紹介したあと,中枢神経における種々の病態でのIa陽性細胞の役割について述べる。
このレポートでは中枢神経の免疫能を主要組織適合抗原クラスⅡ抗原(Ia抗原)に焦点をあてながら考えてみたい。Ia抗原***はT細胞が抗原認識する際のキーとなる分子で,この分子の発現様式や発現細胞を解析することは局所免疫応答調節機構を知る上でかかせない。まず,Ia分子の機能とIa陽性細胞に関する一般知識を紹介したあと,中枢神経における種々の病態でのIa陽性細胞の役割について述べる。
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