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文献詳細

雑誌文献

生体の科学42巻1号

1991年02月発行

文献概要

実験講座

一酸化窒素電極

著者: 渋木克栄1

所属機関: 1理化学研究所国際フロンティア研究システム思考ネットワーク研究チーム

ページ範囲:P.57 - P.63

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 近年一酸化窒素はEDRFの主要な成分であると同定された1,2)。また,血管内皮細胞の他でも,全身の種々の組織において産生され,重要な生理機能を担っていることが判明しつつある3-6)。中枢神経系では小脳で発生することが証明され7,8),さらに一酸化窒素合成酵素は免疫組織化学的研究により小脳以外の脳部位にも存在することが確認された9)
 一酸化窒素の生理学的研究には優れた検出法を用いることが必要である。当初は血管平滑筋に対する弛緩作用や1,2),cGMPの産生を促進する作用をメルクマールとした,バイオアセイが使用された4,6-8)。また,一酸化窒素はアルギニンから作られるが,その際の副産物であるシトルリンの生成より間接的に測定することも行われた4,8)。しかしこれらの測定法は必ずしも高い時間分解能をもつものではない。また,一酸化窒素はきわめて酸化されやすく,とくに生体中ではO2-と反応して数秒の半減期で消滅してしまう7)。これらの理由により脳組織中に生じた一酸化窒素を検出することは必ずしも容易ではなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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