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特集 脳の移植と再生
文献概要
障害された脳機能を修復させるより積極的なアプローチとして脳内移植が注目され,動物を用いた実験的脳内移植では大きな成果をあげている。脳内移穂の歴史は古く,すでに前世紀後半から行われていたが1),当時は移植した細胞が生着するか否かの観察だけであり,機能の修復という点からは程遠いものであった。脳内移植研究が今日のようにさかんになったのは約10年前からである。BjörklundとStenevi(1979)2)は6-OHDAで一側の黒質線条体ドーパミン(DA)路を破壊したヘミパーキンソン病モデルラットのDA入力を欠如した線条体に,胎仔ラットからえた黒質を含む脳幹部の細胞を移植すると,障害された運動機能が修復されることを報告した。これは移植によって脳機能が再構築されることを示した最初の報告で,大きな反響を呼んだ。
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