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文献詳細

雑誌文献

生体の科学42巻2号

1991年04月発行

文献概要

特集 脳の移植と再生

黒質細胞の移植と機能回復

著者: 西野仁雄1 端谷毅1 熊崎路子1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部第二生理学教室

ページ範囲:P.108 - P.112

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 障害された脳機能を修復させるより積極的なアプローチとして脳内移植が注目され,動物を用いた実験的脳内移植では大きな成果をあげている。脳内移穂の歴史は古く,すでに前世紀後半から行われていたが1),当時は移植した細胞が生着するか否かの観察だけであり,機能の修復という点からは程遠いものであった。脳内移植研究が今日のようにさかんになったのは約10年前からである。BjörklundとStenevi(1979)2)は6-OHDAで一側の黒質線条体ドーパミン(DA)路を破壊したヘミパーキンソン病モデルラットのDA入力を欠如した線条体に,胎仔ラットからえた黒質を含む脳幹部の細胞を移植すると,障害された運動機能が修復されることを報告した。これは移植によって脳機能が再構築されることを示した最初の報告で,大きな反響を呼んだ。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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